いつか病床で思い出す蕎麦「新川」
どうもご無沙汰、寅さんです。
ある小雨の降りしきる中、寅さんと酒乱妻は蕎麦屋さん「新川」を訪問。
立派な店構え。所々に洒落っ気も見せるこの余裕。
緊張しつつ店内へ。
「いらっしゃいませ〜」
優しそうなおばちゃんがご案内。中高年の客層で、見たところ我々が若手。
店内はうなぎの寝床のような細長く仕様で、テーブルが6つ。個性あるテーブルが並ぶお洒落なインテリアに、器好きの酒乱妻も狂乱。
かと思いきやなぜか興味を示さず。二人で歩いているとあんなに見るのに…女心は寅さんにはわからぬ。
気を取り直し、メニューを見る。え!「目に言う」でめにう?うーん、洒落ておる。
天ぷら各種
待つ間は美味しい自家製蕎麦茶。一瞬で飲み干した強欲な我々夫婦は、喉を乾かし蕎麦を待つ。
「すみませんー間も無く上がりますねー」そう言いつゆだけが来る。つゆとねぎの香りがもどかしい。
「薬味、足りなかったら持ってきますので」
そしてついに蕎麦がきた。私の大盛り。
うーん、デカい!そして…
美味い!8割くらいだろうか。これくらいの蕎麦の風味とかみごたえが寅さんは大好きなのである。つけだれにちょんとつけ、ぞぞっとすする。嗚呼、蕎麦よ。あなたはどうして蕎麦にいてくれないのか。
あっという間に食べ終わる。
酒乱妻のたのんだ天ざる、天ぷらを半分分けてもらう。
さくさくと春菊、海老、そしてりんごの天ぷらがまた蕎麦に合う。
これは再訪確実。
周りの客は、みな常連のようだった。常連確実の可能性さえある。なぜか考えていたらわかった。この店は、すべてがホッとするのだ。店主と奥さんだろうおばちゃんの人柄は、インテリアにも、蕎麦茶にも、天ぷらにも蕎麦にもしっかり伝わっているのだ。
感動はない。しかし、何年後かに、ふと病床で思い出す蕎麦。そんな気さえする。
今度は温かい蕎麦も食べてみよう。
83/100点。